どうしてこうもお前は弱いかね。
天高く秋刀魚も肥ゆる秋(21世紀のマイカー時代、馬なんて関係ないのでこれからはみんなこれでいけばいいんじゃないのかと俺は思っている。昨今の日本にとって食卓事情は馬なんかよりずっと大切だ)、相も変わらず男ふたりで悲しくトランプゲームなんて、はてさて俺はともかく古泉はこんなにモテない男だったろうか。結局古泉の手の内から離れようとしなかった道化師をカードの山に戻し、古泉を見る。かちんと視線が合うと、なんか知らんがどっかの坊ちゃんのような上品さで微笑まれた。クソッ気色悪いくせにかわいいな!---前言撤回、そんなはずはなかった。転校してきてもうやがて一年と半年も経つのに相変わらず月イチのペースで下駄箱に潜んでいる見知らぬ女生徒からのラブレターを知らんとは云わせんからな。平々凡々な俺と違って女受けのしそうな古泉の整った顔は事実女受けがよく、古泉がその気になれば石油王のハーレムよろしく何人もの女をはべらすこともも不可能ではないはずなのだクソッ、自分で云ってて悲しくなってきた!
まあもっとも恋人(仮)(なんで仮かって?古泉相手に恋人という言葉を使うのが気持ち悪くて仕方ないからだ)と一緒に時を過ごしたいという気持ちは老若男女世界共通の気持ちに違いはないと信じたいので、そういうことにしとこうと思うが、それにしても。残念ながら脳内で自分の都合を全面に出した帳尻合わせに素直に納得できるほど俺は傲慢ではなく、ハルヒ的「ま、いっか」思考も無縁の人間である。
「古泉、」
「何ですか?」
「お前、何かやりたいことないのか」
「え、ああ、そうですね、トランプはもう飽きてきましたしね・・・、」
「そうじゃなくて、」
物分かりのいいお前なら分かるだろう。俺はお前と違っていつも余裕なんてないから、ましてやお前にたいしての余裕なんとさっぱりだから、相当カッコ悪ぃ顔してんだろうが俺は問わなきゃいけない。
お前の答えを聞きたいんだ。
「お前が俺の都合を無視した希望というのはないのか」
あ、困った顔した。古泉は眉を寄せて控えめな笑みを作った。子供の駄々に困った母親のような表情で、笑った。
「僕のやりたいことなんて、」
何気なく視線を落として暴いたカードは果たして?
キョン古…とくに云うことはないです…強いて言うならHTML化します……(なんて嫌な宣言)
古泉っていつも控えめだから時々わがまま云うとすっごい地雷踏む子なんじゃないかな…甘え慣れてない子もゆる!本当は誰よりも貪欲なんだといいなぁそんないばらずみ。
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