@ 朝、メールチェックしたら、相方・神ちゃんからタイトル「I love you.」というメールが来ていました。間違いかと思った。だが送信者はたしかに相方の名前だった。誰かに告白するにもタイトル「I love you.」はあんまりだろうと思う。とにかく超ビビった。だって相手は女の子好きを公言する相方です。微笑むと菩薩のようと好評の相方です。とうとう
これでBLCDデビューした相方です。パトリック・コーラサワーをパティと呼ぶ相方です。とにかくすべてを超越した相方です。開封するのにどれだけの躊躇をしたか……!
中身は00のSSでした。
ああ、あれタイトルだったんだー!って、
び、びっくりさせないでくれえええええええええええええええええええええ!!!!!ばかあああああああああああああああ!!
まあ萌えたけどなあああああああああああああああああ!!罰として無断で追記にのせようと思います。ティエリア愛され。意外じゃないものがハロで意外なものがヴェーダ。
しかもその後、「あのメールびっくりしたw」とメールすると「最後まで I love bog. にしようか迷った」と返ってきました。
b o g … … ? ^^^^^^^^^^^^^^^^^私の返信:「ちょwwwwwぼっぐwwwばかwwwwwwwww」
相方の返信:「dog 俺ばか。」
落ちこみ過ぎwwそんな相方が好きです。
それにしてもどうして携帯でBとDを間違えたのだろうか。手書きなら分かるが……いくら英語苦手でもこれはある意味難易度高い2段ボケです笑
家に帰ると、すぐにパタパタと飛んでくる物体がある。目の高さでオレンジの羽根を羽ばたかせるそれは、自分に声をかけてくる。
「ティエリア、ティエリア! オカエリ、オカエリ!」
この鳥は共に暮らし始めて二年になるため、ボキャブラリーが増えてとても流暢に話す。
インコ特有の高いキーで話す家族に返事を返しながら、長兄の居場所を訊ねる。彼はいつも真っ先に出迎えてくる。今日は仕事も入っていなかったはずだ。
「ライルの迎えか?」
「リビング、リビング! セツナ、イル! セツナ、イル!」
肩に止まったハロの返事に、ああと納得して歩き出す。そういえばライルは今日、自分の車で出て行った。
リビングに入って、向けられた視線の鋭さにたじろぐ。ニールと刹那がにらみ合っているなど、久々に見た。何事かとこちらが肩に力を入れた瞬間、兄の顔が一気に頼りなくなる。
「ティエリア~、聞いてくれよ。刹那の奴俺が取っておいたモンブラン喰っちまったんだぜ!?」
「……先に俺の苺を食べたのはニールだ」
「……」
怒鳴らなかったのは疲れていたためだ。この巫山戯た話を始末するよう双子を捜したが、あいにく今日は買出しに行っていた。そもそも学校で二人にそれを思い出させたのは自分である。
はっきり言って話すだけ無駄である。関わりたくない。
自分が使えない双子に殺気を向けている間に、ニールと刹那の言い争いは復活していた。ため息をついてこっそり廊下に出る。
ハロが毛づくろいのために離れる。そのタイミングを計っていたように、足元に白い物体が駆けつけ、わんっと吠えた。手持ち無沙汰さを補うように抱き上げる。
このマルチーズは去年、双子が拾ってきたのだ。ハロ共々、アイルランドから来る際に捨てなければという話も出たが、アレルヤが嫌がり、刹那とハレルヤも反対した。ニール自身捨てる気はなかったらしく、ライルに頼んでわざわざ一戸建てを準備していた。そういう辺りは抜かりない。
自分がそんな回顧に浸っている間も、リビングの二人はぎゃーぎゃーと騒いでいる。いつもは見ていて胸焼けしそうになる双子だが、アレルヤは二人を宥め、ハレルヤは物理的に大人しくさせることが出来る。さっさと帰ってこいと思う。
「ティエリアっ、ティエリアも言ってくれよ、一番好きなのは俺だって!」
「違う……俺だ」
何事だと、リビングから飛び出してきた二人に不信な眼差しを向ける。いつの間にか論点がずれている。
「俺だよな、ティエリアっ!」
「……俺だ」
正直、今の感情のままに言えば二人とも嫌いだ。こちらは空腹を我慢していたのだ。くだならい喧嘩はいい加減にしてもらいたい。
きゃんっと、腕の中で犬が吠える。つい締めてしまったらしい。慌てて緩めると、拗ねた様子もなく、またくつろぎ始めた。可愛い様だ。
「ヴェーダだ」
「……は?」
何がと聞き返す兄を無視して、飼い犬を撫でてやる。気持ちが良いのか、いつも毛に覆われて僅かにしか見えない目が完全に隠れてしまった。口元がほころぶのが分かった。
「俺はヴェーダが一番好きだ」
名前を呼ばれて、マルチーズがわんっとまた返事をする。ご褒美にキスもしてやった。
その瞬間、二人が絶望したような表情になり、しばらくしてふらふらとリビングへ戻っていく。途中、ニールは壁に、刹那はそのニールにぶつかった。何がそれほどショックだったのか知らないが、いい気味だ。
「なんだ、皆いるじゃない」
「んだよ、返事ぐらいしやがれ」
やっと帰ってきた双子に、付けておけとドッグタグを手渡される。銀板の表面にはヴェーダの名前とここの住所が刻まれていた。
「それ作ってたら時間かかってよ、もう今日は鍋でいいだろ」
「俺は別に構わない」
「ちょっ、ニール、刹那、何で泣いてるの!?」
つい悲鳴をあげたアレルヤに、ニールは意気消沈のままおかえりと言った。刹那はソファーの上でクッションを抱き締めてぶつぶつ言っている。もしカビが生えたら殴ってやろう。
ハレルヤは不思議そうにそれを見て、台所に入っていく。しばらくもなくアレルヤを呼ぶ声がした。アレルヤがそちらに行き、買い物袋を漁る音がした。食事前に胸焼けを起こしたくないので、再び廊下に出てドッグタグを付ける。首輪とのバランスがぴったりで、少し気分がよくなる。ちゃんと考えていたらしい。
戻ってみると、ニールが黙ってテーブルを拭いていた。その周りではハロが飛び回りながら「マケタ! マケタ!」と傷口を抉っている。
そんなハロを睨みつけるように刹那が食器を持ってくる。やっと夕食が食べられそうだ。
<了>
ティエリアが一番大切にしているもの? いつの時代もヴェーダですよ。
そして刹那とニールはいつの時代もティエリアが大好きなんですよ。
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