(苦労性な乃凪先輩と付き合うようになった最近のおはなし。)(乃凪先輩=杉田)
「あの、先輩」
「何?あ、ひじき嫌いだった?」
「い、いや、わたしお弁当作ってもらってる身だし、」
「いやいや、俺が無理やり作ってきて食わせてんだから嫌いなら別に…」
「いやいやいや、ひじきとか海藻系は本当に大好きでっ、…って、そうじゃなくて!」
「?」
「なんで最近お弁当のおかずが海藻系ばっかりなんですか?」
「………南青瀬の名産物って、わかめじゃん?」
「目をそらしながら答えないで下さい~」
「……いや、これはね?」
「別にきらいなわけじゃないからいいんですけど、今日はひじき、昨日はわかめ、一昨日はお海苔で、おやつは昆布って、これはダイエット食ですか?先輩は私に暗にもっと痩せろと云ってるんですか?それなら正直に言ってくださったほうが私よっぽど傷つかないんですけど、」
「落ち着いて落ち着いて!…いい、よく聞いて?」
「…はい?」
「俺は今、もんのすごーく強大な敵と戦っているんだ、分かるか?」
「…敵、ですか?」
「ああ、もうそれはそれは恐ろしい敵で、日々俺のいろいろなものを摩耗させていってだね…」
「ああ、もしかしてそれは『ハ』から始まって『ゲ』で終わるある現象ですか?」
「ちょ、直球?!そんなにまっすぐ答え云うなよ!もっとオブラートに包もうよ?!」
「いや、包んだじゃないですか、」
「くっそー、この学園内に俺の診方はいないのか!」
高3にして髪(と存在と幸)の薄さに悩む乃凪先輩が大好きです。
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