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タイトルはKimeruだよ！みんな聴けばいいよ！ちなみに某所から引っ張ってきた図書館戦争（革命終了後）の手塚×柴崎です読み終わった直後についカッとなってやった。

「だから違いますわ！何でそれなんですの？！」
「そっちこそ何でそれやねん！おかしいやろフツーに考えて！」
「そんなことありませんわ！」
「いーやあるわ、大アリや！」
「…もう勝手になさってください！！」
「おう、勝手したるわ！」
何の気もない一言が、すごく相手にとっては重大な一言だったりする。言葉というのはいい加減なくせにやけに横暴だ。売り言葉に買い言葉とはまさにこのことといった感じで、気付けばさっきまで和やかで平和だった佐野家のキッチンは戦場と化した。事の発端なんてほんの些細なことで、前述の単騎駆けから10分もたつとよくもまあこんなしようもないことであんな派手な喧嘩ができたものだと当人である清一郎も呆れるしかない。苦笑じみた表情が浮かぶものの、鈴子の気難しそうな表情を見るとそれも引っ込めるしかない。そうでないとプライドの高い彼女の神経を逆なでしてしまうかもしれないからだ。
とはいえ、ここは佐野家なのに、そして彼女はついさっきその佐野家の主である清一郎と喧嘩をしたのに、ごくごく当たり前のように家のソファを占領し、不貞腐れながらも彼の作る夕食を待つ、気難しくも健気でかわいらしいこの姫に愛しいの一言以外のどんな感想を抱けようか。さらりと落ちる髪の繊細なさまに、細い肩の線に、俯いたうなじの白さに、うつくしい以外のどんな感想が。
（ああ、俺、もう駄目なんやないかな、）
茶碗蒸しにマッシュルーム入れる女将さんでも、それはそれでいいんやないかなとか思っている自分は、もう本当に末期だ。温泉といったら和食だし、和食の付け合せといえば茶碗蒸しだ。そして茶碗蒸しの中身といえば西洋生まれのマッシュルームなんかではなく、日本の茸・椎茸であるはずだ。いや、あるべきだ。そんな和洋折衷の茶碗蒸しなんかはサンタクロースの幻想とともに消し去るべきだ。
そう思いながらも手元の椎茸を切ることもできない自分は、この姫にふりまわされて、どうしようもない、しょうがない男なのである。

「鈴子、いっこだけ入れちゃるからそれでええか？」


As you like it, My honey.
（本当に、どうしようもない！）

この世界に
いきている。
ずっとずっと
みんな変わらず
いつまでも。
つきひだけが
きょうのままで。

イヤ、何が云いたいの？ってエンドレスエイトじゃない？っていう話です　よ！

冷たい音だった。いい加減にしてくださいと動いたような唇の音も掻き消してしまうくらいに。純粋に瑕疵を主張する声がひどく弱々しくてなんだかすごく罪悪感に駆られる。
（俺は悪うない、）
清一郎は言い聞かせるように自分を弁護してみた。が、その言葉はひどく軽薄で子供っぽく、背徳さえ伴い、鈴子と一緒になって彼を責めた。さっき頬を思いきり張り飛ばした（怪力持ちの）この女は今はもう、さめざめと泣くモードにチェンジしていて、もはや空気の支配権は完全に彼女の手の中である。清一郎はこういうとき損なのはいつも男のほうや、と頭の片隅で現代日本の風潮を恨んだ。同時に恨んだのは生まれ持っての自分の間の悪さ。まったくもってうんざりする。何もこんな日に課題の締切みっつも持ってくるのはナシやろ、センセー。自分ひとりで処理できんのなら尚更、しかも生徒に採点手伝わせるし。職権濫用にも程がある。結果、無情にも12を回ってしまった針と恋人のビンタときた。なんで他の奴らは平和なのだろう、恨みは現代日本の平和にまで及ぶが、どんなに自分の行いが悪くなかったとしても、とにかく清一郎が悪いという事実は不変の重みを見え隠れさせているのだからしょうがない。
さてさてどうしたものか。しゃっくりあげながら鳴咽を漏らす姫は清一郎が手に握る紙袋に頓着する余裕もないらしい。どうしたものか。熱を持ち始めた頬をさすりながら逡巡する。

はるかとおくで
いきをしている
まわたにくるまった
わたしのあいを
るるとしてかたる。
それでも
のうらんした
このおもいは
どうしても
くるしいだけ。

どうだY！これで携帯からも見れるだろうが！せっかくなのでもう少し書いてみたい気もする……